Journal Club

油症の原因となった物質の一つであるダイオキシン類化合物に関する最近の知見を紹介いたします。

No.190

Computational discovery of novel aryl hydrocarbon receptor modulators for psoriasis therapy

Santini G, Bonati L, Motta S.
Sci Rep. 2025 Jun 6;15(1):19963. doi: 10.1038/s41598-025-03626-z.

 
乾癬治療に向けた新規AhRモジュレーターの計算科学的探索

アリール炭化水素受容体(AhR)は免疫調節、皮膚恒常性、炎症制御に関与する転写因子であり、乾癬治療の有望な標的である。近年、AhRアゴニスト tapinarof が乾癬治療薬として承認され、AhRを介した抗炎症作用、抗酸化作用、皮膚バリア改善作用が注目されている。本研究では、計算化学的アプローチ(PubChemデータベース検索、分子ドッキング、分子動力学シミュレーション、ADMET解析)を用いて 新規AhRモジュレーター候補を探索した。約2万化合物のスクリーニングから、AhRに高い結合親和性を示す 4つの化学骨格群(tolans、三員環化合物、phenyl benzoate誘導体、imine/azo化合物)が同定された。これらの化合物はtapinarofと同程度の安定したAhR結合を示す可能性があり、いくつかは皮膚炎症関連経路やsirtuin経路との関連も示唆された。計算化学解析により AhRを標的とする新しい乾癬治療候補化合物の化学骨格 が複数同定され、AhR–sirtuin経路など新たな治療メカニズムの可能性が示された。
山村和彦 2026/03
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